2012年2月7日火曜日

指導者。

新聞で「指導者考」という連載記事がおもしろいです。
現在は第1部で「識者に聞く」。功績のあるおじいちゃんたちが、指導者に求められる資質を話しているのですが、これがいちいちずっしり来るというか、納得感のあるお話なのです。
昨日読んだ、元自衛隊の統幕議長の西元氏のお話から。
「最も重要な局面、最も困難な局面に自分で立ち、松明(たいまつ)を掲げる姿勢だ。松明とは、人々に国家の行方を示す理念や戦略目標だ。相手の出方に応じて場当たり的に対応するのは下の下の策だ。」
「マキャベリは『次善の策の欠点を嫌うあまり、最悪の策をとることの愚かさ』を説いた。」
「リーダーシップとは、人間性の発露であり、生い立ちから今日までのすべてが表れる。」

最後の言葉は、今も陸上自衛隊幹部学校で教える生徒に、真っ先に言う言葉だそうです。こういう言葉で励まされ、リーダーになっていくのだとしたら、心強いことだと思いました。ちょうど同じ日にローザンヌバレエコンクールで1位を取った菅井さんの記事も読み、その生活ぶりや記者会見で述べた言葉が、まさに上記の「リーダーシップ」に関する言葉と重なっていることにも驚きました。 何も政治の指導者だけをリーダーというのではない。目標を持って生きる姿そのものが、人々に勇気を与える…そんな人もリーダーなのですね。何かを成す人で、清貧でない人は、一瞬華やかではあるけど、ピークを過ぎた後の生き様が豊かな感じがしないように思います。

会社や社会のリーダーなら大衆に、偉業を成す人は自らに。「理念」「ビジョン」がしっかりしている人だけが次の時代に行けるのだと思います。

私が働いた会社で、理念という言葉を頻繁に使いました。お客様の会社の理念は何か。そして自分の仕事の理念は何か。しょっちゅう聞かれたり言ったりしましたけど、理念という言葉の意味ではなく、「目標」や「目的」ぐらいの軽さでもって使っていたように思います。
理念がお題目だと考えているのは、私だけではなかったようです。社長も、政治家さえも、ないと何も考えてないように見えるからダメだけど、耳に優しくて時代にあったいい語感の言葉を並べておけばいいよ。万人に受けるやつね!的な感じが否めません。
そして万人受けして、誰もがいまいちわかりにくい理念は、形骸化して意味を失ってしまった。本来は、決定した個人の覚悟と決意で裏打ちされているべきだと思います。そしてその覚悟と決意は、綿密な計画と調査に裏打ちされているべきだと思います。もしかして皆で話し合うべきものではないかもしれない。ある1人の覚悟と決意に、賛同して感動して、周囲がついてくる、あるいは助けたくなるといった体だったのかもしれません。
カリスマは必要なく、忍耐と執念でやれる1人が必要なのですが、それだけの忍耐と執念を備えた人物が、すでにカリスマなのかもしれませんね。それに誰かこれを引き受けてくれる1人、というのに、成りたがる人は多いのに、覚悟と決意を伴ってない人が多すぎるように思います。
代案が出せないのなら何も言うなという政治家。仕分けに走る与党。どちらにもないのが、この船の行き先はここであると指し示す理念だと思います。現状に対して場当たり的に行動しているようにしか見えないから、私はその船には乗りたくないのです。

先生に受けがいいテーマで、クラスメイトも引かない程度の高潔さを出しつつ、前向きな決意表明で終われば、80点は固い作文は3学期の成績をよくするかもしれないけど、作文の力はつかないし、自分の中にある感情を見極めるのに役立ってもいない。クソ作文です。まずは自分と話したかい?そして使った言葉は、その感情を如実に表現しているかい?そういう見極めがされていて、やっと人に伝えることができるのだと思います。
その作業がないマニフェスト、やっすいキャッチコピー、うすっぺらい芸事。たぶんまず表現の前の大事なことをすっ飛ばしているように思えます。
そんなことをつらつら考えた朝でした。

パン用全粒粉の賞味期限が切れていたのでとりあえず使ってみる。全粒粉とオートミールとレーズン入れました。まずくはないが、全粒粉は新しい方がやっぱりおいしいと思います。いつも丸めるだけなので、工夫してみたくなり、ノット型に。焼き立てよりも、少し置いておいたのを、レンジで温めて食べるとうまし。

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